Lecture: 景気変動と経済成長
O
Oiyo Contributor
第13章:景気変動と経済成長
マクロ経済学の究極の目標は、不況を克服し持続的な成長を達成することです。この章では、短期的な変動(景気変動)と長期的な潮流(経済成長)を研究します。
1. 景気変動 (Business Cycle)
実質GDPが潜在GDPを中心に上昇と下落を繰り返す現象です。
- 局面: 回復期 活況期(山) 後退期 停滞期(谷)。
- 原因:
- 新ケインズ学派: 総需要の変動と価格の硬直性が原因。
- 実物景気循環理論 (RBC): 技術ショックや急激な原油価格変動などの実務的ショックが原因。
2. 経済成長理論 (Economic Growth)
生産可能性曲線自体が外側へと移動する長期的な現象です。
(1) ソロー・モデル (Solow Model)
- 資本蓄積: 貯蓄を通じて資本を増やせば生産は増加しますが、資本の限界生産力が逓減するため、資本だけでは無限に成長することはできません。
- 定常状態 (Steady State): 投入される資本(投資)と摩耗する資本(資本減耗)が一致し、1人当たり資本量と生産量がそれ以上変化しなくなる状態です。
- 貯蓄率の役割: 貯蓄率が高まると、1人当たり所得の 水準 (Level) は高まりますが、長期的な 成長率 を永続的に高めることはできません。
- 技術進歩: 長期的に1人当たり所得の成長を可能にする唯一の源泉は 技術進歩 です。
(2) 収束仮説 (Convergence)
- 技術水準が似ていれば、初期の資本量が少ない貧しい国の方が、豊かな国よりも急速に成長し、最終的に追いつくという仮説です。
3. 内生的成長理論 (Endogenous Growth Theory)
- ソロー・モデルが技術進歩を外部変数(所与)として見たのに対し、技術進歩や人的資本投資が経済内部の選択(教育、R&D)によって決定されると考えます。
核心チェックリスト
- ソロー・モデルにおいて、1人当たり所得の実質的な成長を導く核となる要因は何ですか?(正答:技術進歩)
- 貯蓄率を高めれば、長期的経済成長率は永久に上昇し続けますか?(正答:いいえ。所得水準のみ高まる)
- 実物景気循環理論(RBC)は、景気変動の原因を何だと考えていますか?(正答:技術ショックなどの実物的な要因)
- 貧しい国が豊かな国に追いつく現象を何と呼びますか?(正答:収束仮説)