マクロ経済学の基礎:国民所得勘定
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Oiyo Contributor
第8章:マクロ経済学の基礎:国民所得勘定
マクロ経済学は、個別の経済主体ではなく、国民経済全体の現象(成長、物価、失業など)を研究します。
1. 国内総生産 (GDP: Gross Domestic Product)
一国の領土内で、一定期間内に新しく生産された 最終生産物の市場価値 の合計です。
- 領土基準: 外国人が国内で生産したものは含まれますが、自国民が国外で生産したものは除外されます(GNPとの違い)。
- 最終生産物: 二重計算を避けるため、中間投入物は除外されます。
- 市場価値: 市場で取引されるもののみ含まれます(家事労働、地下経済などは除外)。
2. GDPの三側面 (三面等価の原則)
GDPは生産、支出、分配の三つの観点から測定でき、それらの値は理論上常に一致します。
- 生産面: 各生産段階で創出された付加価値の合計。
- 支出面: 経済主体が生産物に対して支出した金額の合計。
- (C: 消費, I: 投資, G: 政府支出, X-M: 純輸出)
- 分配面: 生産要素に対して支払われた所得(賃金 + 地代 + 利子 + 利潤)の合計。
3. 名目GDP vs 実質GDP
| 区分 | 価格基準 | 測定内容 |
|---|---|---|
| 名目GDP | 当該年度 の価格 | 物価上昇分を含む経済規模 |
| 実質GDP | 基準年度 の価格 | 物価変動を除外し、 実際の生産量の変化 のみを測定 |
- GDPデフレーター: (名目GDP / 実質GDP) 100。経済全体の総合的な物価水準を表す指標です。
4. 物価指数と実質所得
- 消費者物価指数 (CPI): 消費者が購入する商品の「家計の買い物かご」の価格変化を測定します。
- インフレ率: 物価指数の上昇率を意味します。
GDPの限界: 市場で取引されない家事労働やボランティア、環境汚染、生活の質の変化などを十分に反映できないという短所があります。
核心チェックリスト
- 今年生産され、売れずに倉庫に保管されている在庫は、今年のGDPに含まれますか?(正答:はい、投資として処理される)
- 昨年生産され、今年中古で売られた自動車は、今年のGDPに含まれますか?(正答:いいえ)
- 経済全体の実際の生産能力を把握するには、名目GDPと実質GDPのどちらを見るべきですか?(正答:実質GDP)
- GDPデフレーターと消費者物価指数(CPI)の最大の違いは何ですか?