第1回:囚人のジレンマと利得行列
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Oiyo Contributor
1. 囚人のジレンマ (Prisoner’s Dilemma)
ゲーム理論で最も有名で重要な事例の一つである 「囚人のジレンマ」 は、私たちに深い問いを投げかけます。
「全員にとってより良い結果があるにもかかわらず、なぜ私たちは互いを裏切ってしまうのか?」
シナリオ
2人の容疑者が別々の部屋で尋問を受けています。検察官は次のような条件を提示します。
- 2人とも黙秘(協力)すれば、証拠不十分でそれぞれ 懲役1年 となります。
- 1人だけ自白(裏切り)すれば、自白した者は 即座に釈放 され、黙秘した者は 懲役5年 となります。
- 2人とも自白(裏切り)すれば、それぞれ 懲役3年 となります。
🎲 Game Theory Playground (Interactive Module Placeholder)
2. 利得行列 (Payoff Matrix)
この状況を数字で整理したものが 「利得行列」 です。(数字が高いほど良い結果、つまり刑期が短いことを意味します。)
| 自分 \ 相手 | 協力 (黙秘) | 裏切り (自白) |
|---|---|---|
| 協力 (黙秘) | 3, 3 | 0, 5 |
| 裏切り (自白) | 5, 0 | 1, 1 |
分析:なぜ裏切りが「合理的」なのか?
相手がどのような選択をしても、自分は 裏切る 方が有利です。
- 相手が協力するとき:協力(3)より裏切り(5)が得。
- 相手が裏切るとき:協力(0)より裏切り(1)が得。
結局、2人の合理的な囚人はともに裏切りを選択することになり、結果として2人とも協力したとき(懲役1年)よりも悪い結果(懲役3年)を迎えることになります。これが 「非協力ゲームの悲劇」 です。
今日の課題 日常生活(例:気候変動対策、共用冷蔵庫の食べ物管理)で「囚人のジレンマ」に似た状況がないか探してみてください。このジレンマを打破するためには、どのような仕組みが必要でしょうか?