第6章. 補助指標まとめ — RSI・ストキャス・MACD・ボリンジャーバンド
第6章 概要:価格を加工してシグナルに変える
補助指標は価格・出来高を数式で加工し、目で見にくい状態(過熱・放置・モメンタム)を数値化する。トレンド追随型(MACD)と逆張り型(RSI・ストキャス)に分かれ、性格を知って使う必要がある。
この講義の目標:代表的な補助指標4種の原理を理解し、買われすぎ・売られすぎとダイバージェンスを実戦で解釈する。
1. RSI — 相対力指数(買われすぎ・売られすぎ)
RSIは一定期間の上昇幅と下落幅の比率で、今の価格が過熱か放置かを0〜100で示す(基本14日)。
| RSI値 | 状態 | 一般的な解釈 |
|---|---|---|
| 70以上 | 買われすぎ | 短期調整を警戒 |
| 30以下 | 売られすぎ | 短期反発を期待 |
| 50 | 中立 | トレンド方向の判断線 |
買われすぎだからとすぐ売ってはいけない。 強い上昇トレンドではRSIが70を超えたまま、さらに上がり続ける。逆張り指標は横ばい相場で強力、強トレンド相場ではダマシが多いことを覚えておこう。
RSIのダイバージェンス
- 弱気ダイバージェンス:価格は新高値、RSIは高値を切り下げ → 上昇力の弱化
- 強気ダイバージェンス:価格は新安値、RSIは安値を切り上げ → 下落力の弱化
2. ストキャスティクス — より敏感な逆張り指標
直近期間の高値〜安値の範囲で、現在の終値がどこに位置するかを見る。%K(速い線)と%D(遅い線)の2本で構成される。
- 80以上で買われすぎ/20以下で売られすぎ
- 売られすぎ圏で**%Kが%Dを上抜け** → 買いシグナル
- RSIより敏感でシグナルが多い → 短期売買に向く、その分ダマシも多い
3. MACD — トレンドとモメンタムを同時に
MACDは短期EMAと長期EMAの差でトレンドの方向と力を見る。
MACD線 = 12日EMA − 26日EMA
シグナル線 = MACD線の9日EMA
ヒストグラム = MACD線 − シグナル線
| シグナル | 意味 |
|---|---|
| MACD線がシグナル線を上抜け | 買いシグナル |
| MACD線がシグナル線を下抜け | 売りシグナル |
| MACD線が0線の上/下 | 上昇/下降トレンド圏 |
| ヒストグラムの増加/減少 | トレンド加速/鈍化 |
ヒストグラムがMACDの核心だ。 棒が0に近づき縮むのは、クロスより先に現れるモメンタム弱化シグナル。MACDのダイバージェンス(価格↑・MACD↓)はトレンド転換の強力な手がかりだ。
4. ボリンジャーバンド — 変動性で見た価格の位置
移動平均線(中心線、通常20日)を基準に上下へ標準偏差の2倍の帯を巡らせ、変動性を可視化する。
- 価格は統計的に帯の中(約95%)で動く
- 上限タッチ → 短期過熱/下限タッチ → 短期沈滞
- バンド収縮(スクイーズ):変動性縮小 → まもなく大きな変動(ブレイク)が近い
- バンド拡大:トレンドが強く進行中
ボリンジャーバンドは「上限に触れたら売り」ではない。強トレンドでは価格が上限バンドに沿って上がる(バンドウォーク)。スクイーズ後どちらにバンドを抜けるかを見る方が実戦的だ。
5. 補助指標を組み合わせる
| 組み合わせ | シナジー |
|---|---|
| RSI + MACD | 売られすぎ(RSI)+ゴールデンクロス(MACD)が重なれば買い信頼度↑ |
| ボリンジャー + RSI | 下限タッチ+RSI30以下 → 反発の場 |
| MACD + 出来高 | クロスに出来高が乗れば信頼度↑ |
指標は多く出すほど良いわけではない。似た性格の指標(RSI・ストキャス)を重ねると、同じシグナルを二度見る錯覚に陥る。性格の異なる2〜3個(トレンド型+逆張り型+出来高)だけ組み合わせよう。
今回のまとめ
- 補助指標はトレンド追随型(MACD)と逆張り型(RSI・ストキャス)に分かれる。
- RSI 70/30、ストキャス80/20は買われすぎ・売られすぎ線だが強トレンドではダマシが多い。
- MACDはクロスとヒストグラム・0線でトレンドとモメンタムを同時に見る。
- ボリンジャーのスクイーズは大変動の前兆、ダイバージェンスはすべての指標の強力な転換手がかり。
- 性格の異なる指標2〜3個を組み合わせ、使いすぎは避ける。
次回:いよいよ一目均衡表だ。5本の線と雲が「時間・均衡」の観点でトレンドをどう立体的に見せるか、各構成要素から解剖する。
OIYO編集部
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