ファイナンス第7章約2分

第7章. 一目均衡表 ① — 5本の線と雲を完全解剖

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OIYO編集部寄稿者
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第7章 概要:時間と均衡で市場を見る

一目均衡表は1930年代、細田悟一(ペンネーム:一目山人)が作った指標で、その名のとおり**「一目で市場の均衡を見る」という意味だ。他の指標が「価格」に集中するのに対し、一目均衡表はそこに時間**という軸を加え、トレンドを立体的に見せる。

この講義の目標:一目均衡表を構成する5本の線と雲(スパン)の計算・意味を正確に理解する。実戦の売買は第8章で扱う。


1. 一目均衡表の思想

一目均衡表は3つの理論(波動論・時間論・水準論)からなる膨大な体系だが、チャートに現れる核心は5本の線と雲だ。基本の前提は2つ。

  • 市場は均衡を志向する — 価格は一時的に一方へ偏っても、結局は均衡(中心)へ回帰する。
  • 時間が変化を作る — 価格だけでなく「何日後」という時間の変数が転換点を作る。

基本設定値の9・26・52は、細田が過去の日本市場(週6日取引時代の1か月≒26日)を分析して導いた数字だ。今日でも標準として使われるが、市場や銘柄によって最適化することもある。


2. 5本の線

線の名前計算式性格
転換線(直近9日の高値+安値)÷ 2短期トレンド・9日の中心
基準線(直近26日の高値+安値)÷ 2中期トレンド・26日の中心
先行スパン1(転換線+基準線)÷ 2、26日先に表示雲の縁
先行スパン2(直近52日の高値+安値)÷ 2、26日先に表示雲の縁
遅行スパン当日の終値を26日後ろに表示過去対比の現在位置

転換線と基準線

移動平均線に似て見えるが違う。移動平均線は「終値の平均」、転換線・基準線は期間中の高値と安値の中値 — つまりその期間の「均衡価格」だ。

  • 転換線が基準線の → 短期上昇優勢
  • 価格が基準線の上にあり基準線が右肩上がり → 中期トレンド良好

基準線はトレンドの背骨だ。 基準線が水平ならトレンドなし(横ばい)、右肩上がりなら上昇トレンドの中心線の役割をする。価格が調整するとき、基準線が強力な支持になる場合が多い。


3. 雲(Kumo)— 一目均衡表の心臓

先行スパン1と先行スパン2の間の空間を色で塗ったのが雲(一目雲)だ。2本の線を26日未来に描くため、雲はチャートの右端で価格より先に描かれる。

       ░░░░░░░  ← 雲(未来26日分のスパン表示)
価格 /░░░░░░
    /
─────────────────→ 時間

雲が教えること

状態意味
価格が雲の上昇トレンド — 雲が支持帯
価格が雲の下降トレンド — 雲が抵抗帯
価格が雲のトレンド不明・混戦 — 様子見
雲が厚い支持・抵抗が強い(抜けにくい)
雲が薄い支持・抵抗が弱い(抜けやすい)

陽の雲と陰の雲

  • 陽の雲(先行1 > 先行2):上昇に好都合な雲
  • 陰の雲(先行1 < 先行2):下落に好都合な雲
  • 2本のスパンが交差する点を雲のねじれといい、トレンド転換の手がかりになる。

雲が未来26日分を先に見せる点が、一目均衡表の最大の武器だ。これから出会う支持・抵抗帯を前もって知ることができる。ただし価格が雲の中に入ると方向性が消えるため、雲の中の売買は避けるのが原則だ。


4. 遅行スパン — 最も単純だが強力な線

遅行スパンは、ただ今日の終値を26日後ろに描いた線だ。計算は最も単純だが、細田が非常に重視した線である。

  • 遅行スパンが26日前の価格(ローソク足)の上 → 強気の確認
  • 遅行スパンが26日前の価格の → 弱気の確認

現在の力を過去と直接比較し、トレンドが本物かを最後に検証する役割をする。


5. 一枚で見る5本の時間構造

時間位置
遅行スパン26日過去
転換線・基準線現在
先行スパン1・2(雲)26日未来

こうして過去・現在・未来が一画面に広がるのが一目均衡表の正体だ。だから「一目で均衡を見る」という名がついた。


今回のまとめ

  1. 一目均衡表は価格に「時間」軸を加え、トレンドを立体的に見る(設定9・26・52)。
  2. 転換線(9)・基準線(26)は期間中の高安の中値(均衡価格)で、基準線がトレンドの中心。
  3. 先行スパン1・2が作るは26日未来に描かれ、これからの支持・抵抗を先に見せる。
  4. 価格が雲の上なら上昇、下なら下降、中なら様子見 — 雲が厚いほど支持・抵抗が強い。
  5. 遅行スパンは終値を26日後ろに移し、現在の力を過去と比較・確認する。

次回:5本の線と雲を総合して実際の売買に使う。転換線・基準線のクロス、雲のブレイク、そして一目均衡表最強のシグナルである三役好転の売買戦略をまとめる。

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OIYO編集部

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