経済学•第4章•約1分•最終更新 2026年9月24日

経済数学 — 動学と安定性

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Oiyo寄稿者
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経済数学 — 静学的な最適は、時間が加わると微分方程式になる

比較静学は、ある点から別の点へ跳ぶ。動学は、その間の経路を実際にたどるのか、定常状態に戻ってくるのかを問う。マクロの成長理論がこの文法を使う。

1. 1階線形方程式の解と安定性

x˙=−a(x−x∗)\dot x = -a(x-x^*)でa>0a>0なら、x(t)=x∗+(x0−x∗)e−atx(t)=x^*+(x_0-x^*)e^{-at}であり、t→∞t\to\inftyでx∗x^*に向かう。a<0a<0なら発散する。符号が安定性を分ける。

ソロー・モデルで1人あたり資本kkはk˙=sf(k)−(δ+n)k\dot k = s f(k) - (\delta+n)kに従い、定常状態ではsf(k∗)=(δ+n)k∗s f(k^*)=(\delta+n)k^*である。f(k)=kf(k)=\sqrt k、s=0.2s=0.2、δ+n=0.1\delta+n=0.1なら、0.2k=0.1k0.2\sqrt k=0.1 kからk=2\sqrt k=2、k∗=4k^*=4である。k0=1k_0=1なら貯蓄が減耗と人口による希釈を上回ってkkは上がり、k0=9k_0=9なら下がる。

定常状態
sf(k∗)=(δ+n)k∗s f(k^*) = (\delta+n)k^*
貯蓄で積み上がる量と、希釈・減耗で失われる量が等しくなる資本水準。黄金律は、消費を最大にするsを別に選ぶ。

黄金律はf′(kgold)=δ+nf'(k_{gold})=\delta+nである。上の数字でf′=1/(2k)=0.1f'=1/(2\sqrt k)=0.1ならk=5\sqrt k=5、k=25k=25である。k∗=4k^*=4は黄金律より小さいので、貯蓄率を上げれば定常状態の消費は増えうる。逆に過剰貯蓄なら、貯蓄を減らしてはじめて定常状態の消費が増える。

2. 位相図は矢印であって、係数ではない

k˙>0\dot k>0の区間とk˙<0\dot k<0の区間を分ける点が定常状態である。図がきれいだからといって係数を読んだことにはならない。線形化k~˙=[sf′(k∗)−(δ+n)]k~\dot{\tilde k}=[sf'(k^*)-(\delta+n)]\tilde kの括弧が負であることが局所安定の条件である。収穫逓減ならf′(k∗)<f(k∗)/k∗f'(k^*)<f(k^*)/k^*なので、sf′(k∗)<δ+nsf'(k^*)<\delta+nは自動的に成り立つ。上の例ではsf′(4)=0.2×0.25=0.05<0.1sf'(4)=0.2×0.25=0.05<0.1である。

静学と動学
問い静学動学
貯蓄率が上がればk*が大きくなるkがk*に向かう速さ
ショックの後新しい均衡点経路が振動するか単調か
政策長期の水準移行期の世代の消費

最適制御(ハミルトニアン)は、この章の次の敷居である。消費と貯蓄のオイラー方程式u′(ct)=β(1+r)u′(ct+1)u'(c_t)=\beta(1+r)u'(c_{t+1})がその1階条件である。入門の乗数とは別の層にある。

確認問題

貯蓄率が20%から30%に上がると、新しいk∗k^*は? 0.3k=0.1k0.3\sqrt k=0.1kからk=3\sqrt k=3、k∗=9k^*=9である。1人あたり消費c=(1−s)f(k)c=(1-s)f(k)は、k=4k=4で0.8×2=1.60.8×2=1.6だったのが、貯蓄率が上がった瞬間に0.7×2=1.40.7×2=1.4に下がり、kkが9に近づくと0.7×3=2.10.7×3=2.1まで上がる。長期の水準だけを見て「貯蓄の増加は常に得だ」とは書かない。移行経路の世代が費用を払う。

参考資料

  • Robert Solow, “A Contribution to the Theory of Economic Growth,” QJE (1956)
  • Alpha Chiang and Kevin Wainwright, Fundamental Methods of Mathematical Economics, ch. 14–15
  • MIT OpenCourseWare, 14.02 Principles of Macroeconomics
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Oiyo

編集部

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