国際金融論 — マンデル=フレミングと開放経済の政策
国際金融論 — 開放経済では、同じ財政政策でも為替制度によって別の働きをする
閉鎖経済のIS-LMはマクロ経済学第23章にある。国境を開くと、金利と為替レートが資本の流れを通じて結びつき、純輸出がISをもう一度押す。マンデル=フレミングは、そのつながりを短期・価格硬直・静学に単純化したモデルである。
1. BP曲線は外国為替市場が均衡する金利と産出の組み合わせである
資本が完全に移動するなら、国内金利は世界金利から離れられない。BPは水平である。資本移動が不完全なら、産出が増えるほど輸入が増えて経常収支が悪化するので、均衡にはより高い金利が必要になり、BPは右上がりになる。
第1〜2章の為替レートと国際収支の会計が、ここでIS側に入ってくる。減価がすぐにNXを改善するという仮定が、マーシャル=ラーナー条件とタイムラグに左右されるという点もそのままである。
2. 固定為替レートでは、金融政策は外国為替市場に縛られる
固定為替レートで資本が完全に移動するなら、国内金利の引き下げは資本流出を招き、減価圧力を生む。中央銀行がレートを守るには、外貨を売ってベースマネーを吸収する。LMは元の位置に戻る。独立した金融政策はない。
財政拡張はISを右に押し、金利上昇圧力が資本流入を招く。増価圧力を抑えるにはベースマネーを増やさなければならず、LMがついていく。産出効果は大きくなる。
| ショック | 変動為替レート | 固定為替レート |
|---|---|---|
| 財政拡張 | 増価で純輸出がクラウディングアウト、産出効果は弱い | 通貨がついていき、産出効果は大きい |
| 金融緩和 | 減価で純輸出が増加、産出効果は大きい | 為替介入で無力 |
| 世界金利の上昇 | 資本流出・減価 | 外貨準備の減少・引き締め |
変動為替レートのもとでは、政府支出10兆ウォンが金利上昇圧力を生み、資本流入でウォンが増価すれば純輸出が減る。資本が完全に移動するなら、国内金利がに戻るまで増価が続くので、純輸出は10兆ウォン近く減り、産出はほとんど増えない。資本移動が不完全で、増価が純輸出を4兆ウォンしか減らさないなら、1次の純需要の増加は6兆ウォンである。開放度と資本移動性が高いほど、このクラウディングアウトは大きい。
3. このモデルが抜かしているもの
物価の調整、予想為替レート、バランスシートの外貨建て負債、ゼロ金利制約は入っていない。新興国がドルで借金をしている場合、減価は純輸出を改善する前に債務負担を大きくする。そのとき、変動為替レートでの「金融政策は有効」は成り立たないことがある。
確認問題
資本がほとんど移動しない固定為替レートの国で、財政拡張は産出を上げるか。BPが急なら、産出の増加に伴う輸入の増加が、金利上昇に伴う資本流入を上回り、国際収支は赤字になる。レートを守るために中央銀行が外貨を売れば通貨量が減り、LMが左に移動して産出効果は弱まる。「固定為替レートなら財政政策が強い」は、完全移動という仮定の結果である。
参考資料
- Robert Mundell, “Capital Mobility and Stabilization Policy under Fixed and Flexible Exchange Rates,” Canadian Journal of Economics (1963)
- J. Marcus Fleming, “Domestic Financial Policies under Fixed and Floating Exchange Rates,” IMF Staff Papers (1962)
- IMF, Annual Report on Exchange Arrangements and Exchange Restrictions
Oiyo
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