国際金融論 — 国際金融のトリレンマと為替制度
国際金融論 — 三つのうち一つはあきらめなければならない
第3章のマンデル=フレミングは、すでにトリレンマを含んでいる。資本が自由に動くのに為替レートを固定すれば、国内金利はに縛られ、中央銀行はレートを守る外為取引の相手方になる。物価と景気のための独立した金利はない。
1. 中央銀行のバランスシートが制約をあらわにする
固定為替レートのもとで投資家が国内資産を売って外貨を買えば、中央銀行は外貨準備を払い出し、ベースマネーを回収する。外貨準備が尽きれば固定は崩れる。逆に流入が押し寄せればベースマネーが増え、不胎化で国内資産を売って相殺しようとしても限界がある。
ブレトンウッズ体制は、資本規制と固定為替レートで国内政策の余地を残した。1990年代以降、多くの国は資本移動を開き、変動為替レートと事実上のドル連動の間で揺れた。欧州の単一通貨は、為替レートの固定と資本移動を選び、加盟国の独立した金利をあきらめた選択である。
2. 中間的な制度は攻撃の標的を残す
| 選択 | あきらめるもの | 残るリスク |
|---|---|---|
| 変動為替レート+資本移動 | 名目アンカーとしての為替レート | 為替のオーバーシューティング、外貨建て債務 |
| 固定為替レート+資本移動 | 独立した金利 | 外貨準備の枯渇、一方向の賭け |
| 資本規制+固定 | 完全な金融開放 | 迂回、レント、不透明なプレミアム |
| カレンシーボード・ドル化 | 金利と最後の貸し手の裁量 | 非対称ショック、銀行危機 |
バンド、クローリング・ペッグ、管理フロートは、市場に「ある線までは守る」という信号を送る。その線が信じられなければ、攻撃はその線を狙う。第1世代の危機モデルは、拡張的な財政・金融政策と固定為替レートが衝突するとき、投機的攻撃は外貨準備が自然に尽きる時点より前倒しで起こると考える。第2世代は、防衛の費用(利上げ、不況)が大きくなれば政府はあきらめるだろうという自己実現的な期待を強調する。第3世代は、企業・銀行の外貨建て債務とバランスシートの悪化を経路に加える。
ウォン/ドルのバンドの上限が1,400ウォンで、外貨準備が目に見えて減っていれば、1,400突破に賭ける費用は限られ、利益は大きい。急な利上げで防衛すれば、国内の信用が収縮する。攻撃者に見えるそのトレードオフが、危機の圧力である。
3. 金融危機の章との境界
銀行のレバレッジと取り付けの増幅は金融経済学第5章で扱う。この章の焦点は、為替レートの約束がどのようにその増幅の引き金になるかである。外貨建て債務が大きければ、減価そのものが純資産へのショックを生む。トリレンマで「変動為替レートを選べばよい」がただではない理由である。
確認問題
資本移動が自由な小国が為替レートを固定したまま、国内の物価を抑えるために金利を世界金利より高くすると何が起こるか。資本流入が増価圧力を生み、固定を守るにはベースマネーを増やさなければならないので、引き締めが相殺される。三つすべてを持とうとする運営は長続きしない。
参考資料
- Maurice Obstfeld, Jay Shambaugh and Alan Taylor, “The Trilemma in History,” Review of Economics and Statistics (2005)
- IMF, Annual Report on Exchange Arrangements and Exchange Restrictions
- 韓国銀行、外貨準備高統計(韓国語)
Oiyo
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