経済学概論 — 財政政策と国際経済:政府支出・為替レート・貿易
経済学概論 — 開放と政府は、閉じた乗数公式の漏れ穴である
単純なケインズ乗数は、物価固定、金利固定、閉鎖経済、遊休資源の上に立つ上限である。試験対策で必要なのは公式を覚えることではなく、どの仮定がいま崩れているのかを選ぶことである。国際収支とマンデル=フレミングは国際金融論、貿易モデルは国際貿易論が本来の科目である。
1. 同じ50兆でも、支出と減税では1次効果が異なる
MPC=0.8ならMPS=0.2で、閉鎖経済の政府支出乗数は5、減税乗数は4である。支出50兆ウォンはそのまま需要50兆であり、減税50兆のうち消費されるのは40兆だけである。
金利が上がって民間投資が減れば、クラウディングアウトである。完全雇用に近いほど、中央銀行が物価を守るほど、クラウディングアウトは大きくなる。流動性の罠では金利が動かず、クラウディングアウトは弱い。「財政は常に効果が大きい」も「効果がない」も、どちらもモデルの外の文である。
均衡予算乗数は単純なモデルでは1である。支出と税を同時に50兆増やすと、1次の純需要は支出50から消費の減少40を引いた10兆だが、乗数を経た産出の増加は兆で、政府支出の増加分と等しい。問題が単純なモデルを問うのか、クラウディングアウトを問うのかを先に見る。
2. ウォン/ドルが上がれば、ウォンは減価である
1ドル=1,300ウォンが1,400ウォンになれば、ドルが高くウォンが弱い。「為替レートの上昇=自国通貨高」は表示方法を見ていない誤りである。実質為替レートは相対物価を掛けた値なので、名目だけを見て輸出競争力を語らない。
購買力平価は長期の基準点である。短期の為替レートには金利と期待のほうが大きく効く。減価がすぐに経常収支を改善するという主張には、輸出入の弾力性とタイムラグ(Jカーブ)が付いてくる。その計算は国際金融論の為替レートの章で扱う。
3. 比較優位は絶対的な生産性ではなく機会費用である
韓国が1時間にチップ2個か小麦1単位、外国が1時間にチップ1個か小麦1単位を作るなら、韓国はチップに絶対優位がある。チップの機会費用は韓国で小麦0.5、外国で小麦1である。韓国はチップ、外国は小麦に比較優位がある。外国はどちらの財にも絶対優位がないが、貿易の利益を得る。
| 概論の文 | 本来の科目で続く場所 |
|---|---|
| 乗数は遊休資源があるとき大きい | マクロ経済学のIS-LM、クラウディングアウト |
| 減価は輸出に有利になりうる | 国際金融論の為替レート・国際収支 |
| 比較優位で特化すれば総利益が増える | 国際貿易論の分配・関税・GVC |
為替レートが1,300ウォンなら、輸出単価1ドルの商品のウォン建て収入は1,300ウォン、1,400ウォンなら1,400ウォンである。その10%が利幅として残るかどうかは、契約通貨、価格転嫁、輸入中間財の価格が同時に上がるかどうかによる。「減価=輸出企業に好材料」の一行は、中間財の輸入比率が高い産業では外れる。
確認問題
MPC=0.6の閉鎖・遊休モデルで、支出20兆と減税20兆のうち産出の増加が大きいのはどちらか。→50兆、→30兆。支出のほうである。開放とクラウディングアウトを入れると両方の数字が小さくなるが、差の符号は残りうる。
参考資料
- N. Gregory Mankiw, Macroeconomics, ch. 11–12
- 韓国銀行、国民経済計算の解説(韓国語)
- David Ricardo, On the Principles of Political Economy and Taxation, ch. 7
Oiyo
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