管理会計 — 総合予算と変動予算:販売予算から現金予算まで
予算とは、経営計画を数字に置き換えたものである。来年どれだけ売り、そのためにどれだけつくり、材料をどれだけ買い、現金がいつ不足するかをあらかじめ突き合わせてみる。予算は計画の道具であると同時に、あとで実績と比べる業績評価の基準にもなる。差異分析は原価計算第10章で扱った。
1. 総合予算の構造
総合予算は、複数の予算が鎖のようにつながっている。出発点はいつも販売予算である。売る量が決まってはじめて、つくる量が決まるからである。
| 段階 | 予算 | 主な入力 |
|---|---|---|
| 1 | 販売予算 | 予想販売量×販売価格 |
| 2 | 製造予算 | 販売量+目標期末製品-期首製品 |
| 3 | 原材料購入・労務費・製造間接費予算 | 生産量×単位当たり所要量 |
| 4 | 売上原価・販売費及び一般管理費予算 | 製品原価、販売関連の原価 |
| 5 | 現金予算 | 上記予算の現金流入・流出の時点 |
| 6 | 見積財務諸表 | 見積損益計算書、見積貸借対照表 |
2. 販売予算と製造予算
BP社の第1・第2四半期の予想販売量は1,000個と1,200個、第3四半期は1,500個である。販売価格は1個10万ウォンである。四半期末の製品在庫は次の四半期の販売量の20%を維持し、第1四半期初めの製品在庫は200個である。
3. 原材料購入予算
製品1個に原材料2kgが必要で、1kg当たりの価格は1万ウォンである。四半期末の原材料在庫は次の四半期の生産所要量の10%を維持し、第1四半期初めの原材料は200kgである。
| 項目 | 第1四半期 | 第2四半期 |
|---|---|---|
| 生産所要量(生産量×2kg) | 2,080kg | 2,520kg |
| 目標期末原材料 | 252kg(第2四半期所要量の10%) | 第3四半期の生産を基準に決定 |
| 期首原材料 | (200kg) | (252kg) |
| 購入量 | 2,132kg | — |
| 購入額(1kg当たり1万ウォン) | 2,132万ウォン | — |
4. 現金予算
現金予算は、利益ではなく現金の時点を見る。BP社は売上高の60%を販売した四半期に、40%を次の四半期に回収する。前年第4四半期の売掛金のうち第1四半期の回収額は3,500万ウォンである。原材料の購入代金は購入した四半期に50%、次の四半期に50%を支払い、前年第4四半期購入分の未払額は1,000万ウォンである。第1四半期の人件費・経費の現金支出は4,500万ウォン、期首現金は500万ウォン、最低保有現金は1,000万ウォンである。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 期首現金 | 500 | |
| 顧客からの回収:当期売上分 | 10,000 × 60% | 6,000 |
| 顧客からの回収:前期売上分 | 3,500 | |
| 原材料代金:当期購入分 | 2,132 × 50% | (1,066) |
| 原材料代金:前期購入分 | (1,000) | |
| 人件費・経費 | (4,500) | |
| 借入前の期末現金 | 3,434 | |
| 最低保有現金に対する余裕 | 3,434 − 1,000 | 2,434 |
第1四半期は余裕があり、借入れは必要ない。第3四半期のように販売が増える直前の四半期には、生産と材料購入が先に増えて現金が先に出ていくので、黒字の会社でも短期借入れが必要になりうる。現金予算はこの時点をあらかじめ示してくれる。
5. 固定予算と変動予算
固定予算とは、計画した一つの操業度に対する予算である。変動予算とは、実際の操業度に合わせて原価の予算を計算し直したものである。第1四半期の計画は1,000個だったが実際には1,100個売れたなら、変動費が計画より多いのは当然である。業績を評価するときは1,100個基準の変動予算と比べてはじめて、販売量の効果と原価統制の効果を分けられる。
6. 予算編成の方式と行動
- 増分予算:前年の予算に一定の比率を加える。簡単だが、非効率が引き継がれる。
- ゼロベース予算:すべての活動をゼロから正当化し直す。徹底しているが、時間が多くかかる。
- ローリング予算:一つの四半期が過ぎるたびに新しい四半期を付け加え、常に12か月先を見る。
- 参加型予算:実務担当者が予算編成に参加する。受容性は高いが、予算スラックが生じやすい。
確認問題
BQ社の4月・5月・6月の予想販売量はそれぞれ2,000個、2,500個、3,000個である。月末の製品在庫は翌月の販売量の30%を維持し、4月初めの在庫は500個である。4月と5月の生産量はいくらか。売上高の70%を当月、30%を翌月に回収し、販売価格が1個4万ウォンなら、5月の顧客からの回収額はいくらか。
4月の生産量は個、5月の生産量は個である。5月の回収額は、5月の売上高1億ウォンの70%である7,000万ウォンと、4月の売上高8,000万ウォンの30%である2,400万ウォンを合わせた9,400万ウォンである。
参考資料
- Charles Horngren, Srikant Datar and Madhav Rajan, Cost Accounting: A Managerial Emphasis, ch. 6
- Ray Garrison, Eric Noreen and Peter Brewer, Managerial Accounting, ch. 8
- Jeremy Hope and Robin Fraser, Beyond Budgeting
Oiyo
編集部OIYO編集部は、経済・法律・生活・自己理解のテーマを一次資料と公開統計で検証してまとめます。すべての記事は出典を明記し、定期的に見直して正確さと実用性を保ちます。