税務•第6章•約2分•最終更新 2026年9月20日

国税基本法 — 税務調査の限界と課税前適否審査

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OIYO編集部寄稿者
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条文は2026年8月11日施行版(法律第21860号)を基準とし、確認日は2026年9月20日である。

処分が出る前の話

第5章の不服は処分が出た後を扱った。この章はその前である。税金が決まるまでの過程で、納税者はどんな権利を持つのか。

第7章の2「納税者の権利」がまるごとこの主題である。条文の配列そのものが調査の時間順をなぞっている。調査を始める前、進める間、結果が出た後。

調査権濫用の禁止(第81条の4)

必要最小限の範囲

税務公務員は、適正かつ公平な課税を実現するために必要な最小限の範囲で税務調査をしなければならず、ほかの目的などのために調査権を濫用してはならない(第1項)。

「税務調査」には租税犯則調査も含まれる。租税犯処罰手続法の調査が、ここの権利規定の保護の中に入るという意味である。

第3項も同じ趣旨である。帳簿等の提出要求も最小限でなければならず、調査対象の税目・課税期間の課税標準・税額の計算と関係のない帳簿は要求してはならない。

重複調査の禁止と7つの例外(第2項)

原則は明確である。同じ税目及び同じ課税期間について再調査をすることはできない。

再調査が許される場合
号事由
1号租税逋脱の嫌疑を認めるに足りる明白な資料がある場合
2号取引相手に対する調査が必要な場合
3号二つ以上の課税期間に関連して誤りがある場合
4号再調査決定に従って調査をする場合(決定書の主文に記載された範囲の調査に限る)
5号納税者が税務公務員に職務に関連して金品を提供し、またはあっせんした場合
6号部分調査を実施した後、その調査に含まれなかった部分を調査する場合
7号そのほか1〜6号に類似する場合として大統領令で定める場合

1号の「明白な」が関門である。漠然とした疑いでは開かない。

4号は第5章と直接つながる。審査・審判請求の再調査決定(第65条第1項第3号ただし書)と、課税前適否審査の再調査決定(第81条の15第5項第2号ただし書)による調査である。括弧の中が重要である。決定書の主文に記載された範囲に限定される。第5章で見た60日・範囲限定の制限がここで再確認される。

第4項は方向が逆である。何人も、税務公務員に法令に違反させたり権限を濫用させたりするなど、公正な税務調査を妨げる行為をしてはならない。納税者側の請託も防ぐ。

助力を受ける権利(第81条の5)

納税者は税務調査(租税犯則調査を含む)を受けるとき、弁護士・公認会計士・税務士に調査に参加させたり、意見を述べさせたりできる。

三つの資格が並んで列挙される。税法上の争点は税務士・会計士が、刑事に広がりうる局面は弁護士が担う構造である。

始める前 — 事前通知と延期(第81条の7)

20日前

税務公務員は、調査を始める20日前に、調査対象の税目、調査期間、調査の事由などを通知しなければならない。再調査決定による再調査は7日前である。

延期申請

事前通知を受けた納税者は、次の事由で調査を受けるのが難しければ延期を申請できる(第2項)。

  1. 天災地変で生命・身体、財産またはサプライチェーンなどに相当な被害が生じた場合
  2. 経営する事業に著しい損失が生じ、または不渡り・倒産のおそれがある場合
  3. そのほか大統領令で定める事由

1号の「サプライチェーン」は、2026年8月11日の改正で入った新しい文言である。経済安全保障のためのサプライチェーン安定化支援基本法第2条第2号のサプライチェーンをいう。災害の範囲を物理的被害の外へ広げたのである。

所轄税務官署の長は、承認の可否を調査開始前までに通知しなければならない(第3項)。

ただし延期しても、延期期間の満了前に調査を開始できる二つの場合がある(第4項)。延期事由が消滅した場合と、租税債権の確保のために緊急に開始する必要があると認められる場合である。

進めている間 — 期間と範囲

調査期間20日(第81条の8)

原則は「最小限」である。ところが第2項は数字を打ち込んである。

調査期間の原則
調査対象期間のうち年間収入金額(または譲渡価額)が最大の期間の金額<100億ウォン⇒調査期間20日以内\text{調査対象期間のうち年間収入金額(または譲渡価額)が最大の期間の金額} < 100\text{億ウォン} \Rightarrow \text{調査期間20日以内}
第81条の8第2項。延長は、最初の1回は所轄税務官署の長の承認、2回目以降は所轄上級税務官署の長の承認で、それぞれ20日以内(第3項)。

延長事由は六つある(第1項ただし書)。帳簿の隠匿・提出遅延・拒否など調査の忌避が明白な場合、取引先の調査や金融取引の現地確認が必要な場合、逋脱の嫌疑の把握または租税犯則調査の開始、天災地変・労働争議による中断、納税者保護官等が追加の事実確認が必要だと認めた場合、納税者が釈明のために延長を申請し納税者保護官等が認めた場合である。

最後の二つが興味深い。延長が納税者側から出ることもある。釈明する時間が必要な場合である。

範囲拡大の制限(第81条の9)

調査の進行中は範囲を拡大できない。例外は、具体的な税金逋脱の嫌疑が複数の課税期間またはほかの税目まで関連することが確認される場合など、大統領令で定める場合だけである。

拡大する場合は、その事由と範囲を納税者に文書で通知しなければならない(第2項)。

帳簿保管の禁止(第81条の10)

税務公務員は、調査目的で納税者の帳簿等を税務官署に任意に保管することはできない。

一時保管するには三重の要件を満たさなければならない。法定事由に当たること、正当な権限のある者が任意に提出したこと、納税者の同意を得ること。そして一時保管同意書を受け取り、一時保管証を交付しなければならない(第3項)。

結果が出た後 — 課税前適否審査(第81条の15)

この章の核心である。処分が出る前に争う制度である。

課税予告通知(第1項)

税務署長・地方国税庁長は、次の場合にあらかじめ書面で通知しなければならない。

  1. 業務監査の結果に従って課税する場合
  2. 税務調査で確認されたもので、調査対象者以外の者に対する課税資料および現地確認調査に従って課税する場合
  3. 納付告知しようとする税額が100万ウォン以上である場合

3号には除外が二つある。監査院の是正要求による課税で、是正要求の前に疎明案内を受けた場合(イ目)、そして期限後課税標準申告書を出した者が納付しないか過少納付し、その申告書に書かれたとおりに決定する場合(ロ目)である。ロ目は第4章の第45条の3とつながる。本人が書いて出した数字のとおりに決定するのに、もう一度予告する理由はない。

30日で請求し、30日で答える(第2項・第4項)

課税前適否審査の時間表
通知を受けた日から30日以内に請求→国税審査委員会の審査→請求を受けた日から30日以内に決定・通知\text{通知を受けた日から30日以内に請求} \rightarrow \text{国税審査委員会の審査} \rightarrow \text{請求を受けた日から30日以内に決定・通知}
第81条の15第2項・第4項。請求の対象は第81条の12の税務調査結果の書面通知と第1項の課税予告通知である。原則は通知した税務署長・地方国税庁長だが、国税庁長の有権解釈の変更や新たな解釈が必要な事項は国税庁長に請求する。

適用されない四つの場合(第3項)

課税前適否審査を請求できない場合
号事由なぜ
1号国税徴収法第9条の納付期限前徴収の事由があるか、税法上の随時賦課の事由がある場合待てない状況である
2号租税犯処罰法違反で告発または通告処分する場合(関係のない税目・税額は除く)刑事手続に進む
3号通知日から国税賦課の除斥期間満了日まで3か月以下である場合審査している間に賦課権が消滅する
4号そのほか大統領令で定める場合—

3号が実質的である。課税前適否審査は最長60日(請求30+決定30)かかる。除斥期間が3か月以下しか残っていなければ、審査をしているうちに賦課権そのものを失う。第2章で見た第26条の2がここで働く。

決定は三つ(第5項)

決定要件
採択しない請求に理由がないと認められる場合
採択または一部採択請求に理由があると認められる場合
審査しない請求期間の経過、補正期間内の未補正、そのほか請求が適法でない場合

認容側にも再調査決定がある(第2号ただし書)。採択の範囲を決めるために追加調査が必要なら、通知した税務署長・地方国税庁長が再調査し、当初の通知内容を修正して通知するようにする。

第5章の審査請求の決定(第65条)と並べると、構造は同じである。却下に当たるもの(審査しない)、棄却(採択しない)、認容(採択)、そして再調査決定。

事前と事後をつなぐ一行

救済の二つの時点
[調査結果通知・課税予告通知]→(30) 課税前適否審査→処分→(90) 異議・審査・審判→(90) 行政訴訟[\text{調査結果通知・課税予告通知}] \rightarrow (30) \text{ 課税前適否審査} \rightarrow \text{処分} \rightarrow (90) \text{ 異議・審査・審判} \rightarrow (90) \text{ 行政訴訟}
課税前適否審査は第6項により第58条・第59条・第63条・第65条第4〜7項など不服手続の条文を準用し、第7項により行政審判法の一部の条文も準用する。括弧内の数字は日数。

同じ骨組みが前後で二度使われる。違うのは時点と期間である。事前は30日、事後は90日である。

残る点

  • 第81条の11の統合調査の原則、第81条の12の税務調査結果の通知、第81条の13の秘密保持は扱わなかった。
  • 第81条の16の国税庁長の納税者権利保護と、第81条の18・19の納税者保護委員会は、調査手続の内部統制の仕組みである。
  • 調査手続の違反が、その結果出された課税処分を無効にするかどうかは判例の領域である。特に重複調査禁止違反の効果がそうである。

参考資料

  • 国家法令情報センター、国税基本法第81条の4・第81条の5・第81条の6・第81条の7・第81条の8・第81条の9・第81条の10・第81条の15(2026年8月11日施行、法律第21860号、確認日2026-09-20)
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