税務•第8章•約2分•最終更新 2026年9月20日

国税基本法 — 期限と送達、そして納税義務の承継

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OIYO編集部寄稿者
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条文は2026年8月11日施行版(法律第21860号)を基準とし、確認日は2026年9月20日である。

前の七つの章が語らなかったこと

ここまで期間を何度も数えた。除斥期間5年・7年・10年、更正の請求5年、不服90日、課税前適否審査30日。すべて「通知を受けた日から」または「処分があったことを知った日から」数えた。

では、通知を受けた日とはいつか。書留郵便が返送されたら?住所がわからなければ?期限の最終日が日曜日なら?

その答えが第1章の総則にある。最後の章で振り返るのは、前のすべての期間計算がこれらの条文の上に立っているからである。そして納税者が死亡したり法人が合併したりしたとき、その義務が誰に移るのかもあわせて見る。

期限の特例(第5条)

申告・申請・請求・書類提出・通知・納付・徴収に関する期限が次に当たれば、その翌日を期限とする。

  1. 土曜日及び日曜日
  2. 公休日に関する法律による公休日及び振替公休日
  3. 労働節制定に関する法律による労働節

3号は見落としやすい。勤労者の日は法定公休日ではないが、この条文が別に入れている。2025年11月11日の改正で文言が整理された。

第3項も実務的である。申告期限・納付期限の満了日に国税情報通信網が大統領令で定める障害で稼働停止し、電子申告・電子納付ができなければ、障害が復旧して申告・納付できるようになった日の翌日が期限となる。

郵便申告と電子申告(第5条の2)

いつ申告したものとみなすか
郵便:郵便日付印が押された日(発信主義)電子:国税庁長に送信されたとき\begin{aligned}\text{郵便} &: \text{郵便日付印が押された日(発信主義)} \\ \text{電子} &: \text{国税庁長に送信されたとき}\end{aligned}
第5条の2第1項・第2項。対象は課税標準申告書、課税標準修正申告書、更正請求書とその関連書類である。

電子申告した場合、関連書類のうち大統領令で定めるものは、10日の範囲で提出期限を延長できる(第3項)。

天災等による期限の延長(第6条)

所轄税務署長は、天災地変や大統領令で定める事由で期限までにできないと認める場合、または納税者が申請した場合に期限を延長できる。

この条文は前の章に二度出てきた。第4章の加算税の賦課除外事由(第48条第1項第1号)が「第6条による期限延長の事由に当たる場合」であり、第5章の審査請求の14日の特例(第61条第4項)が「第6条による事由」である。

書類の送達 — 誰に(第8条)

原則は名義人の住所・居所・営業所または事務所である。電子送達なら名義人の電子メールアドレス(国税情報通信網に保存する場合は利用者確認記号でアクセスできるところ)である。

名義人が変わる場合
項状況送達の相手
第2項連帯納税義務者代表者。いなければ徴収に有利な者。ただし納付告知・督促の書類は全員にそれぞれ
第3項相続が開始し、相続財産管理人がいる場合相続財産管理人の住所または営業所
第4項納税管理人がいる場合納付告知・督促の書類は納税管理人の住所または営業所
第5項矯正施設・国家警察官署の留置場に逮捕・拘束・留置された事実が確認された場合当該施設の長または警察官署の長

第2項ただし書が重要である。一般の書類は代表者一人に送ってよいが、納付告知と督促は連帯納税義務者の全員にそれぞれ送らなければならない。お金を納めよという要求は、各人に直接到達しなければならない。

送達を受ける者が送達を受ける場所を届け出ればその場所に送達しなければならず、変更した場合も同じである(第9条)。

送達の方法(第10条)

交付、郵便、電子送達の三つである(第1項)。

書留郵便の原則(第2項)

納付告知、督促、強制徴収または税法による政府の命令に関係する書類を郵便で送るときは、書留郵便でしなければならない。

例外として普通郵便が許されるのは、告知金額が大統領令で定める金額未満の4種類の納付告知書だけである。所得税の中間予納税額の告知書、付加価値税法第48条第3項による告知書、申告はしたが納付しなかったために発給する告知書(第22条第2項の国税)、源泉徴収履行状況申告書を出したが納付しなかったために発給する告知書である。

共通点が見える。納税者がすでにその税金の存在を知っている場合である。新しい負担を知らせるものではないので、到達証明の必要が弱い。

会えなかったとき(第3項・第4項)

交付送達は所属公務員が送達場所で直接交付する。ただし受領を拒まなければほかの場所でも交付できる。

送達場所で本人に会えなければ、使用人・従業員または同居人で事理を弁識できる者に送達できる(補充送達)。そして本人であれ彼らであれ、正当な理由なく受領を拒めば、送達場所に書類を置くことができる(差置送達)。

住所・営業所を移転していれば、住民登録票などで確認して移転した場所に送達しなければならない(第5項)。旧住所に送って終わりにはできない。

交付したら送達書に受領人の署名または押印を受け、拒否すればその事実を記載する(第6項)。普通郵便で送ったら、書類の名称・氏名・場所・発送年月日・主な内容を記した記録を作成して備えておかなければならない(第7項)。

電子送達(第8項〜第10項)

申請した場合にだけ行う。ただし納付告知書が送達される前に納税者が税額を自主納付したなら、その時点で電子送達を申請したものとみなす。

3回連続して電子送達された書類を閲覧しなければ、申請を撤回したものとみなす(第9項)。ただし電子送達された告知書・督促状の税額を納付期限までに全額納付していればそうではない。開かなくても納めていれば受け取ったものとみなすわけである。

国税情報通信網の障害などがあれば、交付または郵便で送達できる(第10項)。

公示送達(第11条)

三つの場合に、主な内容を公告した日から14日が過ぎれば送達されたものとみなす。

  1. 住所または営業所が国外にあり、送達が困難な場合
  2. 住所または営業所が明らかでない場合
  3. 第10条第4項の者(本人・使用人・従業員・同居人)が送達場所にいない場合で、書留郵便で送ったが受取人不在で返送される場合など大統領令で定める場合

公告は、国税情報通信網、税務署の掲示板等、所轄の市・郡・区のホームページ・掲示板等、官報または日刊新聞のいずれかに行う。ただし国税情報通信網を利用するときは、ほかの方法とあわせて行わなければならない(第2項)。オンラインだけでは足りないという判断である。

送達の効力 — 到達主義(第12条)

送達する書類は、送達を受けるべき者に到達したときから効力が生じる。

電子送達は、指定した電子メールアドレスに入力されたとき(国税情報通信網に保存する場合は保存されたとき)に到達したものとみなす。

発送したときではなく到達したときである。郵便が遅れた責任を納税者は負わない。国税徴収法第17条(送達遅延による指定納付期限の延長 — 到達した日から14日)も同じ原則の延長である。

納税義務の承継

合併(第23条)

合併後に存続する法人または設立された法人は、消滅した法人に課された、またはその法人が納めるべき国税・強制徴収費を納付する義務を負う。

限度がない。合併は権利義務を包括承継するからである。

相続(第24条)

相続人または民法第1053条の相続財産管理人は、被相続人の国税・強制徴収費を相続で受けた財産の限度で納付する義務を負う。

合併と違って限度がある。相続人は受け継いでいない財産まで責任を負わない。第3章で見た第二次納税義務の限度の構造と同じである。

相続人が2人以上なら、民法の相続分に従って分けた金額を相続で受けた財産の限度で連帯して納付する。そして彼らのうち代表者を定めて所轄税務署長に届け出なければならない(第3項)。

連帯納税義務(第25条)

連帯納税義務が生じる場合
項状況限度
第1項共有物、共同事業またはその共同事業に属する財産に関係する国税・強制徴収費 — 共有者・共同事業者なし
第2項分割後に分割法人が存続する場合 — 分割法人、分割新設法人、分割合併の相手方法人分割で承継した財産価額
第3項分割または分割合併後に分割法人が消滅する場合 — 分割新設法人、分割合併の相手方法人分割で承継した財産価額
第4項債務者回生及び破産に関する法律第215条により新会社を設立する場合 — 新会社なし

第1項だけ限度がなく、分割関連の二つの項は承継した財産価額が限度である。共有・共同事業はもともと自分の事業だが、分割は他人の義務を分けて受けたものだからである。

連帯納税義務には、民法第413条以下の連帯債務の規定を準用する(第25条の2)。

八つの章を一枚に

国税基本法の骨組み
総則(第1・8章)→納税義務の成立・確定・消滅(第2章)→優先権と拡張(第3章)→申告の訂正と還付(第4章)→事後救済(第5章)→調査と事前救済(第6章)→制裁(第7章)\begin{aligned}&\text{総則(第1・8章)} \rightarrow \text{納税義務の成立・確定・消滅(第2章)} \\ &\rightarrow \text{優先権と拡張(第3章)} \rightarrow \text{申告の訂正と還付(第4章)} \\ &\rightarrow \text{事後救済(第5章)} \rightarrow \text{調査と事前救済(第6章)} \rightarrow \text{制裁(第7章)}\end{aligned}
第1章は解釈の原則、第8章は期間・送達・承継という手続の土台である。

この課程は一つの税金も計算しない。所得税も法人税も付加価値税も出てこない。国税基本法は税目の上に共通して載る枠組みだからである。どの税目を学んでも、この枠組みの上で動く。

残る点

  • 第13条の法人とみなす団体、第14条〜第20条の賦課・適用の原則の一部は第1章で扱った。
  • 第26条の納税義務の消滅は、第2章の除斥期間・消滅時効とあわせて見た。
  • 第8章の補則(第82条の納税管理人、第84条の2の褒賞金、第85条の7の履行強制金)と第9章の罰則は扱わなかった。

参考資料

  • 国家法令情報センター、国税基本法第5条・第5条の2・第6条・第8条・第9条・第10条・第11条・第12条・第23条・第24条・第25条・第25条の2(2026年8月11日施行、法律第21860号、確認日2026-09-20)
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