中級会計 — 無形資産と投資不動産:開発費の資産化と公正価値モデル
この章は、形がないか営業に直接使わない2種類の非金融資産を扱う。無形資産は企業会計基準書第1038号(IAS第38号)、投資不動産は第1040号(IAS第40号)が定める。どちらの基準書も「資産として計上してよいか」と「計上した後どの金額で持ち続けるか」が核心である。
1. 無形資産の定義と認識
無形資産とは、物理的実体はないが識別可能な非貨幣性資産である。三つの要件を満たさなければならない。
- 識別可能性: 分離して売却や貸与ができるか、契約上・法律上の権利から生じる。
- 支配: 将来の経済的便益を得て、他者の利用を制限できる。熟練した従業員や顧客関係は、法的保護や契約がなければ支配していない。
- 将来の経済的便益: 収益の創出や原価の節約によって便益が流入する。
そのうえで便益流入の可能性が高く、原価を信頼性をもって測定できれば認識する。内部で創出したブランド、題号、顧客リスト、そして自己創設のれんは、原価を事業全体の開発原価と区別できないので資産として認識しない。
2. 研究段階と開発段階
内部プロジェクトは研究段階と開発段階に分ける。
- 研究段階: 新しい知識を得る活動、代替案の探索。発生時に即時費用とする。
- 開発段階: 研究成果を新しい製品・工程の設計に応用する活動。次の6要件をすべて立証すれば、その時点以後の支出を資産(開発費)として認識する。
| 要件 | 立証すべき内容 |
|---|---|
| 技術上の実行可能性 | 無形資産を完成させて使用・売却できる |
| 意図 | 完成させて使用または売却する意図がある |
| 能力 | 使用または売却する能力がある |
| 便益の創出方法 | 市場が存在するか、内部使用なら有用性を示せる |
| 資源の確保 | 完成に必要な技術・財務資源を入手できる |
| 測定 | 開発段階の支出を信頼性をもって測定できる |
二つの段階を区別できなければ、すべて研究段階とみなす。要件を満たす前に費用処理した金額は、後で要件を満たしても戻し入れない。
ア. 計算例
P社は20X1年に新薬プロジェクトで研究段階に300万ウォン、開発段階に500万ウォンを使った。開発段階の支出のうち、6要件をすべて立証した7月1日以後の支出は350万ウォンである。20X1年の費用は万ウォン、開発費資産は350万ウォンである。開発費は使用可能になった時点から償却する。20X2年1月1日から5年間定額償却すれば年70万ウォンである。
3. 耐用年数:確定可能と確定不能
- 耐用年数を確定できる無形資産: 耐用年数にわたって償却する。残存価額は通常0とみなす。消費パターンを信頼性をもって決められなければ定額法とする。
- 耐用年数を確定できない無形資産: 便益が流入する期間に予見可能な限度がない資産(更新費用が少ない商標権、一部の放送免許など)は償却しない。代わりに毎年、および減損の兆候があるたびに減損テストを行い、確定不能という判断が引き続き妥当かを毎期見直す。
「確定不能」は「無限」ではない。耐用年数を確定できないとしていた商標が、競合製品の登場で今後10年しか使えなくなれば、その時点から確定可能な耐用年数に切り替えて償却を始める。これは見積りの変更であり、切り替える前に減損テストを行う。
4. 投資不動産
投資不動産とは、賃貸収益や値上がり益を得る目的で保有する土地・建物である。財の生産や管理目的(自己使用)の不動産や、通常の営業過程で販売するために保有する不動産(棚卸資産)は投資不動産ではない。一つの建物の一部を賃貸し一部を自己使用している場合、部分ごとに別々に売却やリースができるときにだけ分けて会計処理する。そうでなければ、自己使用部分が僅少なときにだけ全体を投資不動産とする。
ア. 原価モデルと公正価値モデル
投資不動産全体に一つのモデルを選択して適用する。
| モデル | 減価償却 | 期末測定 | 当期損益への影響 |
|---|---|---|---|
| 原価モデル | 100 | 1,900(公正価値は注記で開示) | −100 |
| 公正価値モデル(期末公正価値2,150) | なし | 2,150 | +150(公正価値変動益) |
イ. 振替
用途が変われば勘定を振り替える。公正価値モデルを使う会社が自己使用不動産を投資不動産に振り替える場合、振替日までは有形固定資産として減価償却し、振替日の帳簿価額と公正価値の差額は有形固定資産の再評価と同じ方法(増加はその他の包括利益)で処理する。逆に投資不動産を自己使用に振り替える場合は、振替日の公正価値が新たな原価となる。棚卸資産を公正価値モデルの投資不動産に振り替えるときの差額は当期損益である。
確認問題
Q社は公正価値モデルを使う。20X1年初めに賃貸用建物を5,000万ウォンで買い、20X1年末の公正価値は4,700万ウォン、20X2年末の公正価値は5,200万ウォンである。20X2年7月1日にこの建物を本社社屋として使い始め、その日の公正価値は5,100万ウォン、残存耐用年数は25年(残存価額0)である。20X1年と20X2年の当期損益への影響はいくらか。
20X1年は公正価値の下落300万ウォンを評価損として認識する。20X2年は7月1日の振替日までの公正価値の上昇万ウォンを評価益として認識し、5,100万ウォンが有形固定資産の新たな原価となる。その後6か月の減価償却費は万ウォンである。20X2年末の公正価値5,200万ウォンは、原価モデルの有形固定資産であれば反映しない。20X2年の当期損益への影響は万ウォンの増加である。
参考資料
- 韓国会計基準院、企業会計基準書第1038号「無形資産」
- 韓国会計基準院、企業会計基準書第1040号「投資不動産」
- 金融監督院「製薬・バイオ企業の開発費会計処理に関する監督指針」(2018)
Oiyo
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